鉄人の終わり

みなさん、こんにちは。コアネット教育総合研究所の福本です。
昨日の朝、ネットを見ていて衝撃的なニュースが目に飛び込んできました。「金本引退」です。カープ阪神タイガースで活躍し、連続イニング出場記録を樹立した「鉄人」と言われた金本選手が引退を発表したのです。

カープファンの私が学生時代の頃、ちょうど金本選手はカープの中心選手として活躍されていました。練習の虫で、タイガースではその姿を見習い、若手の選手が成長していったそうです。その金本選手は引退の会見で、「若い時にもっと練習しておけばよかったと後悔している」と話していました。本当にストイックな選手なんだなと思います。

今年は、いろいろな選手が引退を発表しました。ソフトバンクの小久保選手、ベイスターズカープで活躍した石井選手、カージナルスでワールドチャンピオンとなった田口選手。そうそうたる選手たちですが、やはり一流の選手にも終わりは訪れるものなのですね。

アメリカの人材コンサルタントのブジッリジスという方が、「トランジション論」というキャリア形成に関する考え方を提唱されています。

トランジションとは、訳せば「過渡期」ということになりますが、キャリアが変化していく段階においても移行期間としての「過渡期」は必ずあります。そして、その過渡期には「何かが終わる、ニュートラルゾーン(中立期)、何かが始まる」という3つの段階があります。
この過渡期は、精神的な苦痛を伴うとても厳しい時期になります。しかしブリッジスさんは、この過渡期に十分に自分自身と向き合い「トランジション」を過ごすことが重要だと述べています。

何かをしっかり終わらせ、自分自身の中でも整理をすることで、新しく次の何かが始められる、ということです。

今年引退した選手の方々は、きっとトランジションにおいて、ものすごく葛藤し悩み、自分自身と向き合ったことと思います。ただ、これはアスリートだけに訪れるものではなく、私たちにも起こることです。

高校3年生で部活から引退する、中学校・高校を卒業する、いろいろな場面で中高生にもトランジションはあるはずです。そのトランジションの一つひとつとどう向き合わせるか、ということも中高段階におけるキャリア教育の大切なポイントかもしれません。


さて、金本選手、これまでの現役生活お疲れ様でした。今度は指導者として私たちのカープに戻ってくることを楽しみにしています!